グリーフとは 

「グリーフ」は大切な人、ものなどを失うことによって生じる、その人なりの反応、状態、プロセスのことです。
どんな感情も反応もおかしなものではありません。怒りも、悲しみも、時に安堵さえも失ったときに感じるのは自然なものです。あなたの感じる「ままに」大切に感じてみることからはじめてみませんか。
グリーフはそこから乗り越えるものとか立ち直るものではなく、抱きながら歩むものとして見られるとすこし楽になるかもしれません。

 大切な人を亡くした人のための権利条約 

第1条  悲しんでもいい 落ち込んでもいい

「がんばらないと」「心配かけてはいけない」と
気丈にふるまっているかもしれません。
でも時に自分の心の奥にある声に耳を傾けてみてください。
悲しいときは悲しみ、落ちこむことがあっても自然なことです。

第2条  自分を許してもいい

「わたしが悪かったんだ」 と自分を責めてどうしようもないとき
「どうにもできないことがあったんだ」 ということを認めてもよいのです。
自分を責めるのは、あなたにとって、その人の存在がそれほどまでに大事だった証です。

第3条  考えない、思い出さないときもいい

死を直視しないのもまた自由です。
辛いから考えたくない、思い出したくない。
そんな時は、いま自分が打ち込めることに力を そそげばよいのです。
考えられるとき、思い出したいときに、そうすれば よいのです。
亡くなった人はそんなあなたを責めないでしょうから。

第4条  自分を大切に

「みんな大変だから」 と思い、我慢をすることも尊いことです。
でも自分がつぶれてしまうほどの我慢はどうでしょうか。
大切なのはあなたが、あなたらしく生きてゆけること。
自分を大切にすることに許しを与えてもよいのです。

第5条  助けてもらうこと

「お互いさま」 だれもがいつかは大切な人をなくし、苦しいときがあります。
だからいま、辛いのなら、支えてもらってもよいのです。
そして今度は、誰かにその恩を返したり、送ればよいのです。
「助けて」は悪いことではありません。

第6条  みんなちがって、それぞれにいい

同じことを前にしても、感じ方はちがいます。
人それぞれであるということ。
どちらが重たくて、どちらが軽いということは 本当はありません。
ただ「そう感じている」ということが真実なのです。
感じるままに。ちがいをちがいのままに。

第7条  自分の人生を歩んでいい

自分の人生を生きること。 たのしい時間をもつこと。
時に亡くした人を忘れていること。
それは亡くした人を置いていくことではありません。
喪失した相手の存在とともに
あなたの人生を 歩んでいくことはきっとできます。

 グリーフワーク 

死別、喪失を大事にするためにできること
・感じていることを語り、誰かと共有する
・思い出をふりかえる
・亡くなった人、失った対象に手紙を書いてみる
・歌を歌う、音楽を聴く
・絵を描く
・お墓参り
・その人と関係する記念日、誕生日、母の日や父の日などを自分なりに大事に過ごしてみる

(資料提供・© 2011 一般社団法人Live on.)