仏弟子になろう2019
開催から随分と日数が経ってしまいましたが、「仏弟子になろう」と銘打って法名、院号をいただきましょうと呼びかけたところ、予想を超える人数が集まりにぎやかな会となりました。
そもそも、法名というものはこれから自分は仏弟子としての自覚をもって生きていこうという志を立てられた方が、仏法を学び、研鑽を積み、儀式などを経て、本山御法主より賜るべきもの。
ところが今日、そうした方は現われず(僧侶の怠慢によるところが大きい)、死んでしまってからお位牌に書き込むための名前というイメージに変わってしまいました。
今回、その法名というものを自分で考えてつけましょう、ということで「釋」の字の意味合いから、真宗の法名ならば浄土三部経や正信偈、和讃などからこうした文字がよく引用されることなど紹介し、また自分の名前からその漢字の成り立ちを調べ、そこに込められた願いを訪ねてみるという機会も設けました。
本山に申請をして、自分で選んだ文字の法名を下付されて後、皆さんにお集まり頂いて帰敬式(おかみそり)を行いました。
皆さん、とても神妙な面持ちで御法主に代わっての住職によるおかみそりを受けられ、晴れて仏弟子の仲間入りを果たされました。
この帰敬式を通じて、自分のこれまでの半生とこの行く末を見つめる機会になってくれたのではないかと思います。
昨今「終活」と謳って自分の仕舞いかたを考えるセミナーが話題となっています。
その内容はもっぱら遺産の扱いのことや、施設や病院の選び方などが主となってしまっているようです。
この仏弟子になろうということも「終活」のひとつであると考えます。それも最も大切な終活であると。なぜなら世間の終活は「死ぬまで」を対象としますが、仏弟子になろうの方は「死んでゆく先まで」を見据えているのですから。
また頃合いを見計らって「仏弟子になろう」の第二回目を企画します。来年の予定ですが、数名希望者があればこの秋にでも考えます。